フォーラム・シンポジウム報告

第20回全国棚田(千枚田)サミット

 第20回全国棚田(千枚田)サミットが、平成26年10月23日~24日に「未来へつなごう実りの大地」をテーマに山形県上山市で開催されました。2日間にわたり全国から約700人の参加がありました。

全国棚田(千枚田)サミット
かみのやま温泉駅
全国棚田(千枚田)サミット
会場:上山体育文化センター

           

 主催者挨拶は全国棚田(千枚田)連絡協議会中山正隆会長(和歌山県有田川町長)、開催地挨拶は横戸長兵衛第20回全国棚田(千枚田)サミット上山市実行委員会委員長(山形県上山市長)、および吉村美栄子山形県知事がされました。

 基調講演では民族研究家(山形県大江町出身)の結城登美雄氏が、15年間にわたり東北の農山漁村において住民を主体とした地域づくりの提唱や、東北各地で地域活動を行っている経験をもとに、「誰が棚田を守っていくのか?~私の中山間地域報告~」というタイトルで講演されました。

全国棚田(千枚田)サミット
全国棚田(千枚田)サミット

 この後、現地見学会があり「小山棚田・蔵王温泉」コースに参加しました。

全国棚田(千枚田)サミット

小倉の棚田
 蔵王温泉の南西部にミズバショウの群生地があり、周囲が散策コースなっている鴫谷池沼があり、小倉の棚田はこの沼から流れくる水を利用しています。小倉の棚田は平成20年に「やまがたの棚田20選」に認定されました。


全国棚田(千枚田)サミット

啓翁桜
 小倉の棚田では、正月に飾る啓翁桜が作付けされていました。


全国棚田(千枚田)サミット

生態系に配慮した用水路
 用水路は生態系に配慮した石積みの水路となっておりイワナやホトケドジョウ等が生息しやすい環境となっています。


全国棚田(千枚田)サミット

歓迎のおもてなし
 小倉の棚田を上ったところで地元の方々から玉こんにゃくの煮物(3個を串に刺したもの)を頂きました。


 2日目は4つの分科会に分かれて議論が交わされ、第2分科会「農業を起点とした6次化、農商工連携による棚田地域の活性化」に参加しました。

【おむすび権米衛】
(株)イワイ 商品開発部長 外岡学氏
 「おむすび権米衛」の委託オーナとして4店舗を経営しており、おむすびにより米の消費拡大を通じて日本の農業に貢献しています。

【交流を核とした地域づくり活動】
東沢地区協同の町づくり推進会議 代表 佐々木賢一氏
 町田市からの山村留学の受入れを契機に地域づくり活動を進めてきた。そのつながりで「おむすび権米衛」へ東沢地区の米を販売することとなりました。

【地域の農を地域で支える挑戦】~鳴子の米プロジェクト~
NPO鳴子プロジェクト 理事長 上野建夫氏
 鳴子の米プロジェクトで大事にしていることは、地域のみんなが協力し合い地域の力で農を支える、再生産可能な価格で米を買い支えることで地域の農家に元気とやる気を与える、作り手と食べての新しい信頼関係を丁寧に築くことです。

【上山集落MERRYLAND】
NPO法人英田上山棚田団メンバーみんなの孫プロジェクト代表取締孫 水柿大地氏
 東京出身で大学を休学して岡山県美作市で地域おこし協力隊として活躍。その後大学を卒業して美作市上山に定住し、中山間地域で仲間と棚田を復旧しながら地域に貢献しています。

事例発表
 事例発表では、「食用ほおづき」から広がる笑顔の輪と題し、山形県立上山明新館高等学校食料生産課の発表と「大蕨棚田」の元気再生を目指してと題し、グループ農夫の会代表稲村和子氏の発表がありました。

◆ 第21回全国棚田(千枚田)サミット
 第21回全国棚田(千枚田)サミットは、平成27年10月23日~24日に佐賀県玄海町で開催の予定です。